約4年間にわたる新型ｺﾛﾅｳｲﾙｽ感染症との闘いが一応の終息を迎えようとしている中、熊救協各施設においても手探りではあるものの、徐々に日常を取り戻しつつあります。そのような中、全救協では令和6年度の重点目標として、�@地域共生社会の実現に向けた行動指針の推進と社会への発信、�A利用者の人権を尊重した支援と利用者主体の個別支援の質の向上、�B救護施設の「見える化」の推進を掲げ、当協議会を含めた各地方協議会との連携を図ることとしています。
　熊救協としては、救護施設の基本理念の本丸ともいえる「真に支援を必要としている人を確実に受け止めるセーフティネット」としての役割を果たすために原点回帰する必要性を感じているところです。そのためには、現状で既に入所されている方に対しては個別支援計画の更なる質の向上を図る一方で、地域の生活困窮者に対する相談支援や無料低額での宿泊受入を行う熊救協社会貢献事業「生活困窮者 緊急一時救護事業」の利用促進を図るための情報発信や様々な広報活動にも注力するなど、まさに事業の「見える化」を進めていく必要があります。
　重点項目の中でも特に個別支援計画については令和6年度中に制度化が予定されていることもあり、熊救協の各施設において利用者主体の個別支援計画書を作成することはもちろんのこと、利用者ニーズの達成に向けて措置の実施主体である福祉事務所の支援方針との整合性を図っていくことが重要です。その足掛かりとして熊救協調査研究委員会においては各福祉事務所の皆様にも協力をいただき、アンケートによる実態調査を実施することとしています。このように、利用者の生活と訓練の場を担っている施設側と各福祉事務所がこれまで以上に連携を密にし、(1)利用者本人、(2)措置権者（福祉事務所）、(3)支援者（救護施設）それぞれが同じ方向を目指すことができるよう鋭意努力して参ります。
　また、令和9年度には全国救護施設研究協議大会が熊本県で開催される予定となっており、その際は全国の各救護施設職員が多数来熊されることとなります。熊救協としては、傘下7施設が連携し、早期に実行委員会を立ち上げるなど事前準備等を主体的に担っていくと同時に、熊本県・市各行政や社会福祉協議会の皆様の指導や協力を仰ぎながら取り組んでまいります。