不安定な世界情勢から端を発した物価高騰の波は、我々の生活にも影響を及ぼしています。特に、生活困窮者の日常には多大な影響を与えており、熊救協各施設においても、物価高騰による経済的な影響を受けながらも利用者支援に取り組んでいます。このような中、全国救護施設協議会では、前年度に引き続き令和7年度の重点目標として、�@「地域共生社会の実現に向けた行動指針の推進と社会への発信」、�A「利用者の人権を尊重した支援と利用者主体の個別支援の質の向上」、�B「救護施設の見える化の推進」を掲げ、各地区協議会との連携を図ることとしています。
　熊本県救護施設協議会としては、全国救護施設協議会の重点目標をふまえ、基本理念である「真に支援を必要としている人を確実に受け止めるセーフティネット」としての役割を果たすための施策を展開していきます。そのためには、一点目として、地域の生活困窮者に対する相談支援や無料低額での宿泊受入を行う熊救協社会貢献事業「生活困窮者 緊急一時救護事業」の利用促進を図るとともに各生活困窮者支援機関への情報発信および提供を行います。二点目は、現在入所されている方に対して、救護施設からの自立、適切な他法施設への移行を図るため個別支援計画をより明確化し、措置権者との連携を強化します。三点目として、救護施設の情報発信や地域交流を通して様々な広報活動にも注力し「見える化」を進めていきます。
　重点項目の中でも、令和6年度中に制度化された個別支援計画については、熊救協の各施設において利用者主体の個別支援計画の作成が始まっています。熊救協調査研究委員会では、利用者ニーズの達成に向けて各福祉事務所へのアンケートによる実態調査を実施し、措置権者である福祉事務所の支援方針との整合性を図ります。
　また、令和9年度には全国救護施設研究協議大会が熊本県で開催される予定となっております。熊救協としては、傘下7施設が連携し実行委員会を組織して、事前準備等を始めています。今後は、大会の盛会に向けて熊本県・市各行政や社会福祉協議会の皆様の指導や協力を仰ぎながら取り組んでまいります。